2025年2月、やっと念願のフライリールのプロトタイプができた。
自分と釣り仲間のための低番手用だ。
以下、このリールができるまでの経緯を簡略にまとめておく。
拙ブログでもご紹介済みだが、前職のRYOBI時代に開発に携わったフライリールは3モデル。
1981年 255MG
1995年 Glacier 740
1996年 680MGがリリース。
1997年RYOBIを退社、独立してPICA事務所(ピカデザイン)を設立。
以来今日に至るまでリールやロッド、用品など各種のデザイン開発などを続けてきた。
いずれもクライアントメーカー様と共同開発の仕事。
RYOBI時代からは40年あまり、悠に2500アイテム以上の開発に携わった、なんともいっぱい作り続けたものだ。
しかしそろそろ自分が好きなもの、欲しいものを作っておきたい。
今ならまだやれる。
そして気に入ってくれる人がいれば販売もしてみたい。
<オレのフライリールコンセプト>
もう一度フライリールを作りたい。
トラディショナルなスタンダードアーバーのリールがいい。
コンパクトに引き締まってロッドにマッチしてるのがいい。
それらとの道具感・テイストがしっくりくるものにしたい。
私は自分がフライフィッシングに傾倒し始めた1970年代から2000年頃までのテイストがやはりしっくりくるので、この点にはこだわりたい。
そして680MGをさらにブラッシュアップさせ、気品を加味できればと思う。
今回はマシンカット製造でいきたいので金属感の輝きを加え、マットブラックとのコンビネーションをデザイン主題としたい…
自分の釣りは山岳渓流から身近な清流のオイカワ、ハス釣りがメイン。
渓流では2~4番ラインを、オイカワ、ハスでは1~2番を多用するので、先ずは3番用に最適化したい。これで自分の釣りはほぼカバーできるかと。
<ネーミング>
リールの呼び名は「Graffiti 3」。
グラフィティとは落書き、あの頃から引きずる思いってやつをメモやラフスケッチに落とし込み、再構築してカタチにするのだ。255MG以降、自分が関わったフライリールを包括するブランド名は「Graffiti reels」とした。
<デザイン〜プロトタイプ完成>
デザインの図面化までは自分一人でやれる仕事。問題なのはそこから先だった。
どこにお願いするか、果たして作っていただけるか?
加工法など技術的な問題、数量とコストなど心配は尽きないがもう後戻りはできなかった。
製造先は韓国。長年お世話になっている信頼の工場が引き受けてくれた。
そして、紆余曲折を経て2025年2月やっとプロトタイプができた。
出来栄えだが、なんともいい感じだと自画自賛(笑)。
このリール、一人でも気に入って使ってくれたら、こんな幸せはないと思っている。
何台生産するか、商品になるまではまだまだやることはいっぱい。
今年はこれで明け暮れることになるだろうな…
Graffiti 3リールの今後については、当ブログやPICA Webサイト、SNSなどにて順次ご報告させていただきます。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします!