たまには温泉宿でゆっくり寛ぎたい。思ってはいてもなかなか機会がなかったが、機会は作るもの。
いい風呂につかってゆったり今シーズンを振り返ってみたい。
休暇をとって向かったのは四万温泉。
【四万温泉積善館】
群馬県は四万川の辺り、谷間の狭い街道筋に民家、土産物屋、食事処、喫茶店、射的場などがひっそり寄り添うように連なって、こじんまりと鄙びた昭和感が漂う風情。
脇道に入ると、新湯川という細い支流があり赤い欄干の橋を渡ったところ山の斜面を背負って積善館がある。
下から、本館、山荘、佳松亭と三段構えの建築群。最初に本館、徐々に上へと増築したのだろう。
開業は元禄時代の1691年。本館建築は昭和11年、懐かしい感じ。
本館横の大浴場は薄ピンク色の壁に上辺がアーチ型の窓が並び、大正ロマンの情緒たっぷり。
さてその赤い橋と木造の家屋群。
千と千尋の神隠しで登場する油屋のモデルになったとも言われているが、さもありなんのいい感じ。
到着したのは昼過ぎだったので、夕方に(観光客用にライトアップされていた)撮影した写真をご覧いただきたい。
うむ、確かに千と千尋の…感ですな。
そして館内はというと、至る所ミシミシと軋み音。
傷みがひどくて改装工事中の部屋も多い。しかし木造建築好きにはたまりませんね。
積善館には4つ風呂があり、今回は3つを味わった。
名湯として有名なのは本館の元禄の湯。サッカーW杯のスペイン戦後の早朝、感動と共に湯船につかった。まさに歴史的勝利を味わう至福のひと時。
(浴室内は残念ながら撮影禁止なので積善館さんのサイトからお借りしました)
さあ、温泉を満喫したら持参のフライの雑誌を開こう。
【フライの雑誌126号】
9月のシーズン終盤の頃、編集部からご連絡いただき今回寄稿させていただいた。
まさに恥ずかしながらの一言だが、長年フライフィッシングを楽しんできた者として、また60代最後の締め括りとして恥を忍んだ次第。
内容については、126号をご笑覧いただければと思う。
ここでは、今シーズン印象深かった魚たちの姿を再掲したい。
3月のマルタ
4月のハコスチ
4月のニジマス
4月の9寸イワナ
6月の尺上ヤマメ
7月の尺イワナ
8月の婚姻色オイカワ
9月の尺上ヤマメと尺ヤマメ、8寸イワナ
11月のオイカワ
4月以降の再掲載渓流魚は全てマシュマロカディスで釣った。このフライとの出会いが無ければこんな幸運には巡り会えなかったかも。
なぜフライフィッシングをするのか。
繰り返し自分に突きつけてきた
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水の流れ、川の表情が好き
魚は美しい
キャスティングが好き
フライタイイングや道具も好き
フライに出るか出るかのワクワク感
かけた時のサカナの手応え、引き味がたまらん
胸がドキドキする
水に絡む魚体を撮影するのが好き
撮影終えるまでが私の釣り
釣行のためのドライブも楽しい
川歩きは足腰の運動、健康的
Zaccoと渓流魚のFFは同じフライフィッシングだが感覚は大きく異なる
ZaccoにはZacco釣りの、ヤマメ・イワナには渓流釣りの面白さがある
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こんなことをツラツラ思いながら40年余り続けてきた。
撮影枚数は約3万枚以上。
それでも抱きしめたくなるようなサカナとの遭遇は滅多にないし、気に入った写真はなかなか撮れない。
何かが足らない…
心の内ではわかっているが、老齢の身ではハードな釣行はもはや叶わぬこと。
せめてその思いの何分の一でも良いのだが…
そう思い続けた一年だった。
何分の一かはやれた気がする。
ありがとう2022シーズン!
そして、さらばMINI COOPER!
最後に、アイカザイム、クロスオーストリッチやマシュマロといった秀逸なシマザキフライ、これらを誌面を通してご紹介くださったフライの雑誌社さんありがとう。
そして寄稿のお声かけをくださった編集部さんにはこの場をお借りして感謝申し上げます。
とても元気をいただきました。忘れられないシーズンの締め括りができました。
また来シーズン、まだ見ぬ景色を夢見て!(冬はもっぱらオイカワに遊んでもらいます)