16時のタイムアップが迫っていた。
見つめる先は2時間半前にピシャッと2回出たポイント。本日唯一のバイトがあった場所だ。
対岸際にフワリと落ちたCDCフローティング・ミッジピューパ#20がゆっくりとチャラ瀬に向かった。
1、2、3秒…
バッシャッ!
流芯に入ったところで派手に飛び出したオイカワがフライを咥えてくれた。
やった!
なんと第1投目で乗った。
いい手応えだ、慎重にテンションを維持しつつ寄せてネットで掬った。
よぉーし。
その時、声が響いた。
こんにちは〜♪
見上げる土手の上には高校生らしき三人組が驚いた顔つきで立っていた。
こんにちは♪
スッゲー…
ヒットの瞬間から見てくれていたらしい。
ちょっと嬉しかった。
川岸は泥苔に覆われているので、今回もオオカワジシャを背景に撮影。これでYa川、Ku川と4回連続のグリーンベッドとなった。(笑)
昼過ぎにS橋から始め、バイトがあったのは唯一このポイントのみ。
水温が14℃もあり、1月は反応が多かったこの湧き水の川もさすがに厳寒モード。
まさかの愛用ウェットフライでもノーバイト、もうお手上げ状態だった。
しかも帰宅時刻直前。
まさに納竿寸前のスケベ心(最後にもう一回ここを叩いて帰ろう)がもたらしてくれた貴重な1尾。
やはり、0と1とは大違いなのだ。
厳寒期のホームリバー、辛うじて女神は微笑んでくださった。
しかし次回はさらに厳しさが増していることだろう。
川沿いの紅梅の木々に花が咲いてきた。まだまだ寒い日は多いが春はもうすぐそこなのだ。