楽しい春祭りのマルタ釣りになるはずだった。
川に着くまでは…
ウグイ属のマルタ(マルタウグイ)、春の産卵期には海から遡上する遡河回遊魚。
話には聞いていたが実際に釣るとなると初体験。マラブー系のフライも20年ぶり?に各色用意、サイズ#12-#10で鉛線を巻き込み、なおかつシンカーも付けてしっかり沈める作戦。ロッドは7’6″ #4-5、ラインはDT#5、ティペットは6X。
10時にいつもの橋から見下ろすと、なんだか様子がおかしい?川が静かで、マルタの姿がちらほら。
んんん?水辺に白く横たわっている死骸はマルタか??
っと、そこへmihiroさんがやってきた。
「マルタほとんど死んでいます、下流から工事現場下まで死骸だらけです!」
「…」絶句。
「昨日までは元気だったのに、鯉は死んでいません。有毒物の影響なら鯉もダメだと思うけど、なんらかの影響で遡上してきたマルタが適応できなくて死んじゃったのかなぁ」
全滅ではなく、かろうじて残ったマルタは眼下の淵とそれに続く瀬にいるようです。橋の下流域も大きな群れは見られず、ポツポツと散見できる程度。
この頃、うおさん登場。
3人でしばし茫然と川を見渡しておりましたが、せっかくだからとやってみることにしました。
mihiroさん、うおさんと3人並んでキャスト。北風が強く、陽射しの割りに体感温度は寒く、鼻水がしょぼしょぼw。
時折浮上して何を喰っているのかマルタがライズしますが、ほとんど底に群れて定位しており、口先に来るフライは無視。
mihiroさんは赤マラブーキールフライ。オリジナリティーがあってシンプル、素晴らしいフライです。
私も赤マラブー系でスタートし、クリーム、紫、ライトグリーン、再び赤と試しますが無反応…
1時間ほど3人にアタリない時間帯が続いた後、ついにmihiroさんにきました。
スレですが、新品のBlue Heron 763-4が綺麗なカーブを描き強烈な引きに耐えています。落ち着いて岸辺に寄せてリリース。
この間のやり取りは場数を踏んでる彼のこと、スムーズでした。
40cmは超えてるレギュラーサイズのマルタを初めて間近にしました。
この後しばらくやって、タイムアップとなったmihiroさんは帰って行きました。
うおさんと二人、さらに遡上して数が増したマルタと対峙しますが、フライは無情にもマルタの横を素通りするばかり。
うおさんが何か口走っています。みると竿がしなっていました。
急いでラインを巻き取り、撮影の準備に近寄ると、なんか変…
なんと、先行者が口にかけたフライがティペットごと切られ、インジケーターを引きずって泳いでいたところのインジケーターに鉤が掛かったようです。
複雑な表情のうおさん、慎重に浅場に誘導し、引き上げることができました。複雑な心境ながら、初体験の引き味は存分に味わえた模様。
楽しませてくれたマルタの口先にしっかりと刺さっていた赤のニンフフライを外しリリース。
そういえば、1時間ほど前に下流のフライマンが掛け、やりとりの途中でプッツンしたので
ひょっとすると、その仕掛けを引きずっていたのかもしれません。
間近に見るマルタ、婚姻色のオレンジ線が鮮やかで迫力があります。
そうしてる間にも少しずつ下流からの遡上量が増えて、目の前の淵にはマルタがかなりひしめいてきたようです。
私もなんとか1尾を!と最後に試してみたのが「マラブー リーチ ホワイト」。
このフライ、もう30年以上も前に巻いたものでフライボックスで眠っていました。
実績あるフライですが、はたして白マラブーはマルタに効くのかどうか?
もう何をやっても喰ってくれないので、集中力もかなり低下気味です。
ところが、手前の護岸際に流し込み、数投目にほんの軽く糸ふけが感じられ…
ロッドを立てて聞いてみると、いきなりググッときました!
先ほどmihiroさんが掛けたのと近いポイントです。
こりゃまるで防波堤のヘチ釣りみたいだ、なんて思いながら護岸下に潜り込もうとするところを引きはがします。
この時点で、この引きはがしが残念な結果になるとは思いもよりませんでした。
瀬に出たマルタは下流に向けて疾走、ラインは引き出されなんとか耐えると、次は手前に突進し、再び下流の早瀬へ向かいます。
走り方から見て、フライはきっちり口に掛かっているようです。
護岸ブロックから岸に降りて慎重にやろうとした瞬間、6Xがプッツン。
切れたところを見ると、最初の護岸下のコンクリートブロックでティペットを摺り、傷つけたようでそこから切れたらしい。
3時間半やって口に掛かった唯一のマルタ、本日はこれにて終了です。
パワフルな疾走の手応えだけが残る不完全燃焼の釣り。
ここまで読んで下さった方のご感想は、
先ず「なんでマルタの死骸が横たわる流れで、釣りする気持ちになるかねぇ?」
ではないでしょうか。至極ごもっともでございます。
初のマルタをどうしてもやってみたいという釣り○カの性で、どうしようもないアホと呼んで下さい。
工事現場の担当者に続いて市役所の人も(地元民の通報を受けて)調査に来ました。
5尾ばかり調査のために持ち帰ったそうです。
この日の水温は13℃。水温や水質の変化が魚に与える影響は相当なものなのでしょう。
※原因が特定されていない以上、以下は私たち3人のぼやきです
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河川工事等で治水機能が整備されたようでも水質への配慮は手抜かりがあったかもしれません。
そして最初に被害を受けるのは、稚魚や微妙な浸透圧調節で適応化するマルタのような海水と淡水を行き来する魚なのでしょう。
環境に配慮するとは難しいですね。
全滅している訳ではありませんが、たぶん上流の工事現場付近から流れ出た液により微量ながら水質に変化をきたし、適応できなかったマルタ、ニゴイ、オイカワの稚魚が死んだのでしょう。
しかしそうしている間にも後続マルタの遡上は続いております。はたして以降の遡上組は生きながらえることができるでしょうか?それとも今年はさらに死骸が広がるか?
雨、明日は雨のようです。全てを洗い流し、再びマルタの大量遡上が見られるかもしれません。
そう願っております。
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そして記録のために撮影した死骸も掲載いたします。
手前の白く見える稚魚は、オイカワのようです。
橋下を覗くと…
今回はブログ記事を書くのが気が重く、どうしようかと迷いましたがアホなりに正直に書いておきました。
近日中は、皆様からの情報に集中しております。
そして、また見に行ってみます。